先日、とあるSNS投稿を見てびっくりしました。なんと、自店購入・他店購入を問わずパンク修理を無料にするという…。
これは絶対にやめたほうがいい。なぜかというと…ということを記事にしました。
今回の記事では...
▶ 無料サービスの弊害
から
▶ スクリーニングの重要性
まで、私の体験談も交えて書いていきたいと思います。
目次
無料サービスの弊害
なぜ無料サービスを行うのか?
損して得取れという言葉がありますが、無料サービスを行う動機はだいたいこれが根拠だと思います。
人間には、返報性の原理というものがあり、これは本能的なものです。
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
これを利用して、無料サービスを贈与し、今後の利用を期待するというものです。また、有償でサービスを提供する他店のシェアを奪う効果もあるでしょう。
無料サービスで集めたお客さんは常連にはならない
短期的には無料サービスは効果があると思います。しかし、私は長期的には効果が逓減していくと思います。
将にこれを奪わんと欲すれば、必ず固くこれに与えよ。これを微明(びめい)と謂(い)う。
老子 第三十六章 将にこれを歙めんと欲すれば、必ず固くこれを張れ より
上記の句は収穫するためには育成が必要とも読み取れます。しかし、無料サービスはいずれ当たり前になり、与えるのではなく奪われるだけになると思うのです。
ただただ、リソースが奪われていく状態に陥るでしょう。
まともなお客さんが離れてしまう
まともなお客さんは「無料のサービスなどない」ことを分かっています。
パンク修理にかかる時間は5から10分程度。かかる原価は10円程度です。それでもそれを無料にすることは「俺に借りを返せ」というメッセージをお客さんに押し付けます。
たとえば、自転車を買ってくれたお客さんに「パンク一回だけ無料」ならお客さんも納得してくれるでしょう。
しかし、正当のない贈与はお客さんに負債感を与えるだけです。ゆっくりと時間をかけてまともなお客さんは遠のいていくでしょう。
結局、無料サービスで集まるのは無課金ユーザーなのです。つまり、負債感を感じない人間です。課金が必要となればすぐに離れてしまいます。
もっと安い店があれば、もっとサービスのよい店があれば何も言わずそちらに流れるのです。
ちなみに、すべて私の主観です。具体的な数字やデータはありません。
スクリーニングの重要性
無課金ユーザーはクレーマーになる
一番よいお客さんは、あなたを信じてくれます。間違っていれば指摘してくれます。
その次に良いお客さんはあなたを信じてくれますが、間違っていれば何も言わず去っていきます。
悪いお客さんは自分が得できるかどうか考えます。あなたに興味はありません。だから自分が損をしたり、得をしなければ文句を言ってきます。
先に述べた負債感を感じない人間です。このような人間をたくさん集めても意味はありませんし、お店も成長しません。
古チューブ差し上げますサービスをやってみたら、中古サドルくれやら中古タイヤくれやら言ってくる人間が発生したためすぐにやめた。
— 脚踏車 (@cyclekaigyou) 2020年10月13日
こちらの記事もぜひお読みください↓
良いお客さん以外はお客さんではない
店舗経営はボランティアではありません。お店にお金を使って下さるお客さんを集めることが目的です。
人がたくさん集まってきても、お金を使わない人ばかりなら何の意味もありません。
スクリーニングという言葉があります。
スクリーニングとは、「審査」「選考」「ふるい分け」といった意味で用いられる表現です。特定の条件などに照らして複数ある対象の中から条件に合致する対象を選別する、という動作を指します。
自分のお店にとって大事なお客さんを選び、それ以外のお客さんは容赦なくふるい落としていくべきです。すべての人に同じサービスを提供する必要はありません。
まとめ
無料サービスが招く結果は 無課金ユーザーの増加、課金ユーザーの離反だと思います。
常識を持った良いお客さんを奇策に頼らず、まっとうな方法で増やすことこそが商売の基本なのではないでしょうか?
ご拝読ありがとうございました!
PARKTOOL(パークツール) パンク修理用パッチキット VP-1C
- 出版社/メーカー: PARKTOOL(パークツール)
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: スポーツ用品
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る