最近、高齢者を中心に「リースバック契約」を悪用した深刻な被害が広がっています。
「家を売っても住み続けられる」と安心させ、実際には住まいを失わせる――。そんな悪質な手口が、今まさに全国で繰り返されています。
今回は、このリースバック被害の実態と、私たちができる対策について紹介します。
◆ 「リースバック契約」ってなに?
リースバック契約とは、以下のような仕組みです。
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自宅を不動産会社に売却して現金を得る
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売却後も賃貸契約を結んで家賃を払いながら住み続けられる
老後の生活資金確保や、急な出費への対応として一見便利な制度に見えます。
ところがこの制度、今や高齢者を狙った詐欺まがいの手口として悪用されているのです。
◆ 実際に起きている被害
報告されている被害例の多くには、以下のような特徴があります。
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本来の価値より極端に安く買い叩かれる
例:2,500万円相当のマンションが400〜600万円で買い取られる -
家賃が高すぎて払えず、最終的に退去させられる
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特に一人暮らしの高齢者や認知症の方が狙われやすい
つまり、「住み続けられる」と説明されながら、実際には家もお金も失ってしまうケースが相次いでいます。
◆ 内部告発が明かした驚きの手口
Xのポストからの引用です↓
ある不動産会社の元社員から内部告発が寄せられました。
その内容は、非常にショッキングなものでした。
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会社は「アタックリスト」という名簿を作成し、一人暮らしの高齢者をリストアップ
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そのリストをもとに訪問し、強引に「押し買い」を実行
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「自分も2,500万円の物件を400万円で買い取らせてきた」と証言
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「こんな会社、つぶしてもいい」と後悔と怒りを語る元社員
まさに組織ぐるみの詐欺的手法です。
◆ メディア・国もようやく動き始めたが…
この問題はすでに複数のメディアでも取り上げられ、テレビ番組「羽鳥慎一モーニングショー」でも特集されました。
国会でも取り上げられ、国土交通省や消費者庁が対応を検討中です。
しかし、その一方で――
大手不動産会社や金融企業が、
「ずっと住み続けられます」といった誇大広告をいまだに展開しているのが現状です。
◆ 私たちにできること
このような悪質な被害を防ぐために、まず私たちができることは身近な人への声かけと注意喚起です。
✅ 一人暮らしの高齢者に「マンション売りませんか?」という勧誘があれば、すぐに相談するよう伝える
✅ 「ずっと住めます」「今が売りどき」といった言葉には要注意
✅ 不審な契約は、必ず家族や法律専門家に相談してから判断する
◆ 最後に:住まいは命の拠りどころ
高齢者にとって、住み慣れた家はただの不動産ではなく、人生の記憶が詰まった「居場所」です。
そんな住まいを奪う詐欺まがいの商法が、今も野放しにされている状況は見過ごせません。
法整備などで対策されることを願います。