<
ローソンでアイスケースのなかに入った写真を店員がSNSに投稿して話題になったのはもう6年前なのかと感慨深いです。長い月日が流れましたね。
また最近、報道が多くなってきました。ひとつの事件が話題になるとなぜか同じような事件の報道が続発するというのも当時とそっくりです。
今回はくら寿司発。その後、ビックエコー、セブンイレブンとかも出てきたみたいです。
バイトテロとは？
ちなみに今回の事件で知ったのですが、こういうのを「バイトテロ」と呼ぶらしいです。（ローソン事件のあった2013年に生まれた言葉らしいです）
バイトテロとは、飲食店や小売店にアルバイトの形態で雇用されている店員が店の商品（特に食品）や什器を使用して悪ふざけを行う様子をスマートフォンなどで撮影し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）に投稿して炎上する現象を指す日本の造語。
承認欲求を満たすために馬鹿なことをやる人間はダメだと思いますが、ダメな人間って集団に一定数いませんか？
というか、6年前に話題になった時も「昔からこういう馬鹿は一定数いる。SNSの発達で可視化されただけ」って評論家の人たちも言ってましたよね。
6年間ちゃんと対策していなかったから、また同じことが繰り返されたわけで。
くら寿司はアルバイトを訴える予定
くら寿司はくだんのアルバイト達を訴えるそうです。
下の文章はくら寿司公式ホームページから。
- このような状況の中、ご来店いただき温かいお言葉をかけてくださるお客様、株主様、お取引様に対し上場企業としての責任を果たし、全国で共に働く約33000人の従業員の信用回復の為
- 多発する飲食店での不適切行動とその様子を撮影したSNSの投稿に対し、当社が一石を投じ、全国で起こる同様の事件の再発防止につなげ、抑止力とする為
まるで被害者。
日本人は自己責任って言葉が好きなのになぜ「馬鹿なバイトを雇った企業の自己責任」にならないのか不思議です。私は「くら寿司よくやった、屑どもを吊るせ」みたいな意見が全く理解できないです。
アルバイトや社員には一定数馬鹿がいて、そいつらは企業にとってリスクになるというのは6年以上前からわかっていたはず。
あることが前提のリスク管理を怠った企業が「お客様、株主様、お取引様」のために「全国で起こる同様の事件の再発防止につなげ、抑止力とする為」に自分で雇った従業員を訴える？
今回の事件が企業にダメージを与えるために雇われたヒットマンの仕業ならもちろん犯罪だし訴えるべきですが、たぶん、ただの馬鹿な若者ですよね。
馬鹿な若者を雇ってしまい、管理できなかっただけの話です。
なのに、自分たちの力不足で生じた損害をバイトから回収するんですか？
今回の事件の原因は、アルバイトさんにとって職場が価値のある場所ではなかったからだと思います。今回動画を投稿したバイトの人にとっては、仕事よりも面白い動画を撮って友達を笑わせる方が大事。仕事と職場が友達を笑わせること以下の価値しかないとも言えないでしょうか？
自分で借金して開いたお店でおんなじことするわけないですよね。
対策はそれだけ？
くら寿司の対策はというと
- 全店舗における勉強会の実施
- 監視カメラでの確認の強化
- 衛生管理の徹底
- スマホ持ち込み禁止の徹底
これらの対策が無意味だとは思わないのですが、監視や禁止事項の徹底って「あなたたちを信用していません」とアルバイトに言っているのと同じですよね。
ただでさえ価値のない場所なのに、さらにみずから価値を下げています。損害与えたら訴えてくるし、監視してくるし、信用もしてくれないと。
じゃあ、具体的にどうすればいいのかというと、とりあえず給料をたくさんあげて、がちがちに監視、マニュアル行動以外の一切を禁止する、くらいしか思いつきませんでした。給料が高ければがちがちに監視されても我慢できるし、行動をすべて企業側が決めてしまえば責任問題は明確です。
まとめ
なにが言いたかったかというと、くら寿司が自分たちの無能を棚上げして被害者ぶって訴えたのが気に食わなかった、ということです。
長々書いたのですが、それだけです。
一番共感した意見です↓
拡散されていれば売り上げが減ってしかるべきな杜撰な扱いをしていてもバレずにすんだ場合の儲けは経営者（正確には法人だが法人の問題はここでは棚上げする）が取るのだから、こういう「災難」の被害は経営者が負うべきでは。大損のリスクを引き受ける代わりに大儲けも正当化されるのが経営者。 https://t.co/qzJ9hilQ3l
— 中田考 (@HASSANKONAKATA) 2019年2月10日
ぼくはやっぱり、この種の問題は社会全体で責任をとっていくべき問題だと思うんですよね。
ぼくらだってバカだったじゃないですか。それが何を開き直って、社会全体でバカな若者を叩いてるんだと感じてしまうんですよねぇ。
なのでこれは大人の側でしっかり制度設計をして、若者に100%責任が行かないような何らかのクッションみたいなものを作っていかないと誰も救われないんじゃないかなと思っています。
ぼくはあんまり優しくない社会が好きではないのでね、そういうことをずっと思っています。
くら寿司、ビッグエコー、セブン……バイトテロ問題にひとこと。「バカな若者の人生の人生潰して終わり」でいいの？ : まだ東京で消耗してるの？
↑イケハヤ先生の良記事から引用。昔はこんな記事いっぱい書いてたのになあ。
ご拝読ありがとうございました。
追記：バイトさんたちは書類送検されたそうです。
警察は、店の衛生管理について誤解を与える情報を流し、営業を妨害したとして、３人を偽計業務妨害の疑いで書類送検しました。
警察によりますと調べに対し、３人は容疑を認め「投稿したら炎上して迷惑がかかると思っていた」などと話しているということです。
アルバイトの従業員などが不適切な動画を投稿するこうした行為はバイトテロとも呼ばれ問題になっていますが、当事者が書類送検されるのは異例です。
「くら寿司」の運営会社は「捜査機関により、適切な措置がなされたと考えております」とコメントしています。
バカッターの心理: 後先考えない人間の末路 心理学 (心理学、Twitter、バカッター、炎上)
- 作者: 猫舌あきちゃ
- 発売日: 2019/02/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
