夏、ビールがおいしい季節です。私は14年間自転車業界にいるのですが、たまにこう言うお客さんがいます。
「自転車は車と違ってお酒飲んでも乗れるからいいよな」
もちろん、だめです。
目次
自転車であっても、酒気帯び運転は道路交通法違反です。
お酒を飲んで運転してはいけません。と法律で定められています。
道路交通法「酒気帯び運転等の禁止」
第65条 第1項何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。 第65条 第2項何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
飲酒運転の罰則等 警視庁 - 東京都
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kotsu/torishimari/.../inshu_bassoku.html
これは車のことを言っているんじゃない?思う方もいるかもしれませんが、自転車も車両です。詳しくは軽車両となります。
軽車両は法律上、以下のように定義されています。
道路交通法第2条第1項第11号
自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつレールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの
実際につかまっている人なんている?
せいぜいおまわりさんに注意されるくらいだろうと思われている方も多いかもしれませんが、実際に逮捕されたケースもあります。
自転車を泥酔状態で乗り回していた女が酒酔い運転の現行犯で逮捕された。パトロール中の警官が蛇行している自転車を発見し、飲酒検知の結果として高濃度のアルコール分が検出されたという。
福岡県警は12日、自転車を泥酔状態で運転したとして、福岡県田川市内に在住する36歳の女を道路交通法違反(酒酔い運転)の現行犯で逮捕した。女は容疑を否認しているという。
福岡県警・田川署によると、酒酔い運転の現行犯で逮捕された36歳の女は、12日の午前3時ごろ、田川市中央町付近の市道(片側1車線の緩やかなカーブ)で泥酔状態にもかかわらず、自転車を運転した疑いがもたれている。
また、4年ほど前(2015年)になりますが、大阪府では飲酒検問の自転車版が行われています。
自転車による交通事故が全国的に問題化する中、死亡事故の約1割を占める飲酒運転を減らそうと、大阪府警は3月11日夜、府内65カ所で自転車の飲酒検問を実施した。府警としては初めての取り組みで、全国でも珍しいという。
飲酒運転の罰則は?
もちろんあります。飲酒運転には大きく二つがあります。
酒気帯び運転と酒酔い運転です。
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」である場合がこれに該当する。具体的には、直線の上を歩かせてふらつくかどうか、視覚が健全に働いているか、運動・感覚機能が麻酔されていないか、言動などから判断・認知能力の低下がないかなどの点が総合的に判断される。一般に認識が薄いが、軽車両(自転車を含む)の運転についても違法であり、刑事罰の対象となる。
酒気帯び運転は、血中アルコール濃度(またはそれに相当するとされる呼気中アルコール濃度)が、一定量に達しているかという、形式的な基準で判断される。このような判断基準の違いから、運転者の体質[脚注 3]によっては、酒気帯びに満たないアルコール量でも酒酔い運転に該当することは考えられる。この範囲の軽車両(自転車を含む)の運転について、違法ではあるが、基本的に罰則規定はない。
自転車に関しては酒気帯び運転では罰せられることはありませんが、酒酔い運転で罰せられることがあります。
そして、酒酔い運転はアルコール濃度が低くても、運転に支障をきたしてれば逮捕される可能性もあります。
だいたいは口頭注意で終わる場合が大半だと思いますが、重大な事故を起こしてしまった場合はただではすみません。
以下のように、免許停止処分が下された例もあります。
東京都杉並区内の国道20号で自転車を飲酒運転し、漫然横断を原因とする事故でバイク運転者を死亡させたとして、道路交通法違反容疑で書類送検された30歳の男性について、東京都公安委員会は6月25日、180日間の運転免許停止処分を実施した。
保険が出ない
こちらも重要な点ですが、飲酒運転を行って事故を起こした場合保険がおりません。
もちろん、被害者に対する対人賠償と対物賠償は適用になりますが、加害者側には適用されません。
ケガしても保険が出ませんし、自転車の修理代も自腹です。
保険金はどんな事故でも出ると思っている人が多いのですが、保険会社もできるだけ支払いしたくないので免責事項というものを設定しています。気を付けましょう。
飲んだら乗るな
当たり前の結論になってしまいますが、飲んだら乗らないようにしましょう。