このブログを立ち上げた理由の一つは、「個人で自転車屋を開業したい人の力になれたら」という思いと、「開業して失敗した知り合いの助けになれなかった後悔」があります。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。とはいいますが、私の経験や記事が少しでも役に立てば幸いです。
この記事では自転車屋の開業失敗例を私の経験も交えて思いつく限り書いていきます。脱サラして自転車屋になろうと考えているかたにもおすすめできる記事が書けたと思います。
目次
共同事業
開業失敗例、不動の第一位です。共同事業というとおおげさですが、よくある例として友達と一緒に店をやる、後輩・先輩や元部下・上司を誘って一緒にやるということです。
上の検索結果をいちどご覧ください。失敗例が山盛り出てきます。
- 共同経営は失敗することがほとんどです。
- 「友人と起業」が失敗する理由
- 共同経営で失敗しないために絶対に決めておくべき5つのこと
おなかいっぱいですね(笑)なぜ一位かというと私自身が失敗したことがあるからです。
そして、知り合いも同じく失敗したのを目の当たりにしたからです。特定されるといやなので、ここからは知り合いの店の顛末を語らせていただきます。
自分語り(読み飛ばし推奨):もともと、自転車業界に入ることを決めた際にすでに開業しようと決めていました。自分はサラリーマンは向いていない。一人で細々と小さな自転車屋さんをしよう。新卒で入った会社を退職する際、こう決意していました。その後自転車チェーン店に転職、その後、個人店にやとわれ(半共同事業)、退職、その後独立という流れです。
失敗した知人はチェーン店時代に一緒に働いていた方です。分かっている条件は以下(特定できないように数字などぼかしたり変更したりしています)
- 開業資金は二人で折半
- 全額自己資金ではなく借り入れもあり
- 友人は自転車業界のことは知らない・修理販売ができない。
- 10坪家賃15万程度
- 売上は最低月100万以上
結果、2年たたずに閉店しました。どういう資金繰りだったのか?どのあたりがトラブルになりそうか?など想像してもらうと、どうしても共同事業がしたい方には参考になると思います。
まとめ:共同事業はやめておいた
資金計画が甘い・借入のし過ぎ
資金計画が甘いというのは例えば...。
- 家賃が10万でー。売り上げがー100万くらいはあるやろうからー。利益は...だいたい40万くらいかな?採算とれるな、いけるやん!
- 貯金300万あるし、借入せんでも自己資金全額突っ込んだら開業できるやん!
- ちかくにおっきなチェーン店あるやん。多分月500万くらい売り上げてそうやし、シェア20パーくらいは奪えそうやから最低でも月商100万や!自転車屋儲かるやん!
がばがばですよね。でも、こんな感じの人いっぱいいます。というか、私自身も開業前はこんな感じでした。
参考記事:自転車屋開業にかかる費用に関する記事も書いています↓
数字にシビアになりましょう。
まとめ:売上予測はシビアにすべし
とある閉店した自転車屋さんの例:具体的な数字
- 借り入れ600万円
- 家賃16万円
- 直径2キロの商圏に競合が10店
まずはいくら売り上げないといけないか計算してみましょう。
借り入れ600万、政策金融公庫で利率1パーとすこしで7年返済なら月々の返済は大体約7.5万円です。家賃は16万円
足します:7.5+16=23.5 これは店舗が存在する以上確実に掛かってくるお金です。(固定費)
原価率50パーセントとすると(原価率は修理中心か自転車販売で中心かで変わりますが、だいたいこれくらいになると思います)47万円の売り上げがあってはじめてこの固定費が支払えるという計算になります。
営業日を月平均25日として、毎日18800円の売り上げが家賃と融資返済のために必要という計算になります。怖くないですか?
ただ、当たり前ですが、営業に必要なお金はこれだけではありません。
- 水道光熱費 1万円
- 保険代 0.3万
- 消耗品 0.5万円
- 通信費 0.8万円
- 廃棄物処理費 1万円
- 自身の生活費(独身男性一人と想定) 15万円
安めに見積もってみました。合計は18.6万円。実際は販促費や決算費用もかかってきますし、開業初期には予想外の出費が必ず発生します。つまり、この見積もりはかなり甘いものです。
先ほどの固定費と合算すると42.1万円 原価率50パーセントとして、84.2万円の売り上げが最低ラインとなります。これ以下は赤字になります。
一日に必要な売り上げは33680円です。これ以下は赤字です。天気が悪かろうと体調が悪かろうと一日絶対33680円…。
体調悪くて休業したり、連休をとったりするとさらに1日当たりに必要な売り上げはどんどん上がっていきます。
このお店は約1年で閉店しました。大小さまざまな競合店が近隣にある中、採算が取れるかどうか考えるべきでした。
ただ、逆に言うとこれらを逆算することで採算をとるためにどれくらいの売り上げが必要かわかるので、それを立地の選定などに生かしましょう。
参考記事:立地の選定に関する記事も書いています↓
まとめ:損益分岐点をきっちり計算しておこう
固定費が高すぎる
こちらは赤字のとあるお店を例にします。
- 家賃30万
- 借り入れ600万
- 従業員3名+経営者1名
- 売上:年4000万
また計算します!30万(家賃)+7.5万(返済)+100万(給与)=137.5万
原価率50パーセントとして、275万円の売り上げが最低ラインとなります。もろもろの変動費を含めずにこの数字です。
年4000万の売り上げならいけるやん!と思うかもしれませんが、大事なポイントとして売り上げが高いお店は支払いも大きいということです(当たり前)
大きくかかってくるものとして、消費税などの税金、決算費用、従業員の社会保険、事業保険用などの保険も売り上げが大きいほど高くなります。
結果として、単月で見ると黒字だが、上記の支払いで年間で見ると赤字となりました。
まとめ:のちのち掛かってくる税金はすごく怖いです
とりあえず、3つだけですが、今後も追記していきたいと思います。ご拝読ありがとうございました。
コメントやご意見をいただけると非常にうれしいです。
新しい記事を追記しました↓
ご拝読ありがとうございました!