自転車屋が儲かるのかというのは、これから自転車屋を開業したいと思っている方にとって重要なことだと思います。
自転車屋の利益率や実際の売り上げなどといったリアルなデータをもとにした記事も作成中ですが、その前に今と昔の自転車屋の状況などを記事にしてみました。
目次
自転車屋はどういうイメージ?
自転車屋といえばどんなイメージでしょうか?レトロなイメージで言うと商店街の中にあり、店舗付きの住宅に住みつつ働いている。店内には数台の自転車、工具がたくさん、おじさんが一人で暇そうにやっている。みたいな感じでしょうか。
そんな昭和レトロな自転車屋さんはどうやって儲けていたのでしょうか?
昔の自転車屋さんの利益構造
まず、昔は自転車チェーン店はほとんどなく、個人店が大半でした。絶対数も少ないため新車もきっちりと利益をとっていたと思われます。
そして、今よりも自転車は高額でしたが、その分作りこまれており頑丈でした。故障したら買いなおす今よりも、修理して長く乗るという時代でした。
さらには昔ながらの自転車店はバイクの修理を行っていたり、新聞配達自転車、郵便バイクなど法人関係の仕事もこなしていました。
加えて、昔ながらの個人自転車屋さんは自宅兼店舗や夫婦・家族経営で固定費が低く、人件費も抑えられるという特徴もあります。
まとめると
- 自転車販売利益率が高い
- 修理が多く、利益率が高い
- 法人との付き合いがある
- 自転車以外にも収入源がある
- 自己所有物件なので家賃不要
- 家族経営で人件費が低い
という感じでしょうか。
現在の個人の自転車屋さんの状況
翻って現在のお話です。私が自転車業界に入ったころ、そのころはまだ割と業界的にも儲かっていたのではないでしょうか。10年以上前です。部材や自転車も今よりも安かったですしね。
それよりも昔はチェーン店や多店舗経営のお店同士でも、いちおう縄張りというか、お店を出すなら最低これくらい離れようみたいなカルテル?的なものもあったようです。
パンク500円や空気入れ無料を打ち出してお客さんを集めたチェーン店が出てきたり、大型チェーン店も商圏?そんなもの知らねえ、みたいな感じでどんどん出店し競争は激化していったようです。
さらには中国系のお店も増えました。特徴はとにかく安い(パンク300円・タイヤチューブ交換2000円!なんていう店もあります)
中古自転車の調達力がすさまじい、ということです。いまは接客技術(日本語力)、修理技術も向上しており競合として無視できない状況です。
あとは電動自転車の販売も個人店には逆風が吹いています。家電量販店や大型チェーン店、コーナンなどのホームセンターまでもが自転車販売に参入しており、ライバルは増える一方です。
自転車専門店(チェーン店・個人店合算)の数は微減ではありますが、おそらく販売総展示台数は増えています。
まとめると
- 原価率が上がった
- 単価が下がった
- 競合が増えた
という感じでしょうか。個人には厳しい状況が続きそうです。とはいえ、自転車への需要がなくなることはありえませんので自転車屋というものがなくなることはありあせん。
私が開業するときに考えたこと
私の場合は、以下の対策を考えて開店しました。
- 家賃の安い物件で開業する
- 自身の生活費を下げる
- 店舗外での収入源をつくる
- 薄利多売で行く
1.家賃の安い物件を探す
もともとは店舗付き住宅を購入し、そこで出張修理と中古自転車販売をしようと考えていたのですが、家賃の安い物件が見つかったため店舗を借りました。
家賃は水道代・共益費込み50000円です。固定費をかなり低く抑えることができました。
2.自身の生活費を下げる
これは貧しい生活をしようというわけではなく、どちらかというと節約です。格安シムにする。保険を見直す。自炊の頻度を増やす。などです。
支出を下げることは売り上げを上げることよりも簡単です。例えば、通信費を年間4万円節約すれば、売り上げを8万円上げたことと同じ効果があります。
グーグルで検索すれば節約法や格安シム情報などは有益な情報が山ほどでてくるので開業前に調べておいたほうがいいと思います。
3.店舗外の収入源を作る
私の場合はネット販売、出張修理などですね。店舗だけの収入だと心もとないので、毎月これらの売り上げには助けられています。
ほかにも放置自転車撤去や、貿易業者に廃車を売るなどの手段もありますが、大きな場所が必要なので今のところは手を付けていません。
4.薄利多売で行く
これは今となれば失敗だったと思います。安売りは質の悪いお客を呼び込みます。ただ、初めのつかみとしては名前を売るという意味では考えてもよい戦略かもしれません。
まとめ
自転車屋さんにより、修理がメインの店舗もあれば、新車販売がメインの所もあります。
自転車屋によっても異なりますが、個人店であれば、修理の売上が全体の30~50%を占めている店舗が多いです。
やはり、自転車屋の利益を支えているものは修理であるというのは今も昔も変わりません。
そのため、修理メインの店舗であっても、修理単価を上げていく努力はすべきだと思います。
ご拝読ありがとうございました。ご意見やコメントなどいただけるとうれしいです。
noteもやっています。