これまでロードバイク業界ってのは、初心者に全く優しくなかったんです。
— リュウスケ / stradista (@gon_stradista) December 10, 2020
古参が偉そうにしつつ、ショップも薄利なので情弱から利益を搾取する。
そうやって初心者は自転車の乗り方すらわからず楽しめずやめていく。
この辞める前に楽しみ方を伝えてるのが、僕のYouTubeなんです。
どうも、しょぼ輪です。まずはツイートの貼り付けから。
上のツイートはポジショントークではありますが、自転車業界のイメージを語っているものではあります。
「初心者に優しくない」「排他的」「愛想が悪い」この辺は自転車業界についてよく言われることです。
これはなぜなのでしょうか?自分なりに考えて記事にしてみました。
初心者に優しくないの真相:常連を優遇するほうが効率的だから
お手本のようなポジショントークで草
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) 2020年12月10日
どこの業界も腐った一部を切り取ればだいたいそうでしょ。 https://t.co/QVmurIDfGH
もちろん、常連を優遇して初心者を排除するお店ばかりではないので、それは先にお断りさせていただきます。
古参常連で成り立っている高単価要専門技術なプロショップの場合、初心者や一見さんの相手をするのは効率が悪いので常連さんから見込まれる利益をもとに価格を提示すれば相場がわからない初心者には搾取に思うのもわかる気がする。
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) 2020年12月12日
↑ ということで、プロショップ(スポーツサイクル専門店)の特徴を考えてみると
- 高単価(自転車一台で100万越えとかありえる)
- 専門知識がいる
- 専門の工具や設備がいる
となるわけで、必然的に一客あたりの単価が高く、接客や説明にかかる時間が長くなる傾向があります。
そして、初心者や一見さんほど接客にかかる時間が長くなる可能性が高くなります。しかも、成約するかどうかは確実ではありません。
常連であれば、かかる時間が少なくなります。例えば、説明に関しても古参のお客さんであればかなり省けるでしょうし、整備や修理もこれまでの履歴が分かっていれば最適最短でできます。
つまり、常連であれば高単価の売り上げが高効率、高確率で見込まれるわけです。
結論としては、初心者一見さんよりも常連客に時間を割いた方が儲かるのです。
なので、確実に購入する意思がある、将来的に常連になるだろうという期待がなければ塩対応して、他の作業なり常連の接客をしたほうがいいというインセンティブが働くのだと思います。
これが初心者に優しくない、排他的であると感じさせてしまう原因かなと思います。
愛想が悪いの真相:来店頻度が低く、単価が低いから
続いては一般車専門店(ママチャリばかり置いている街の自転車屋さん)のケースを考えてみます。
まずは単価、当然プロショップに比べると低くなります。そして、重要になってくるのは来店頻度です。
レーススペックの繊細なスポーツ車に比べると来店頻度もかなり低くなります。常連さんであっても空気入れにくるのを省けば年に数回もない程度です。
例えばですが、買ったばかりの自転車だと私の体感でだいたい2,3年はメンテや修理での来店はほぼありません(空気入れ除く。実際にメンテナンスが不要なのではなく、お客さんが不具合などを感じて持ち込まれるケースの話です)
ですので、他店で買ったばかりの自転車を「空気だけ入れてくれ」とかで来店されると確実に塩対応になってしまいます。数年スパンでの売上期待値が低すぎるのです。
一般自転車屋はそもそも来店頻度が低いし客単価も低いので、厄介な客はむしろ来ない方がいいとさえ思ってしまう。
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) 2020年8月3日
もちろん、客商売である以上、来店していただいたお客さんに親切に対応しファンや常連になってもらうような接客をすべきではありますが、低すぎる売り上げ期待値ゆえに接客することでむしろ売り上げ的にマイナスになるお客さんが存在してしまいます。
PayPay20%還元に代表される、囲い込みのための採算度外視サービスが跋扈した結果、無料サービスだけつまむことに違和感を感じなくなっているのかもしれない。
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) 2020年8月26日
例えば「空気を入れに来るだけのお客さん」です。私のお店にも何人もいたのですが、自転車の購入やメンテ・修理は他店で行い空気入れだけに来る方たちです。
結局、空気入れをセルフサービス化し、空気入れのみ客全員に塩対応接客をすることでみな来なくなりました。彼ら(彼女ら)はきっと私のお店を「愛想の悪い店だ」と思ったでしょうが、後悔は全くありません。
つまり、愛想が悪いのはもう来店してほしくないという意思表示かもしれません。
開店から3年が過ぎたが、こまめに空気入れだけくるがうちで1円も使わない客が何人かいる。こういう人にはめちゃくちゃ塩対応になってしまう。
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) 2020年7月18日
すまんな、来てほしくないんだ…。
まとめ:人は利によって動く
韓非子の名言に「上下一日百戦」というものがあります。上下は一日に百たび戦う。つまり、組織のトップとそれ以下は利害が対立しているため常に争っているという意味です。
この言葉はそのままお店とお客さんの間にも当てはまるものだと思います。
なるべく売り上げにつながる接客にリソースを割きたいお店と自分への接客を優先してほしいお客さん。
金にならない仕事をしたくないお店とタダ働きさせたいお客さん。
そういった対立やミスマッチが起きたとき、悪いお店や嫌な客が発生するのではないでしょうか。
お店側は誰にとっても「いいお店」でありたいでしょうし、お客さんもわざわざ「嫌な客」になりたくないでしょう。
ただお互いの利害が一致しなかっただけ。しょうがない。そういう境地に達したいところですが、私はまだまだ道半ばです。
ご拝読ありがとうございました!