先日、自転車屋さんのツイートでお客さんへの貸し出し用の空気入れポンプのパッキンだけ盗まれたというツイートを見ました。
わざわざ分解して持って行ったんですかね?
理解に困る犯罪ではありますが、私自身も自転車屋をやっているので、無料で空気を入れること、空気入れポンプを貸し出すことに関しては思うところがあります。
その辺、つらつらと書かせていただきました。
目次
いつから空気入れは無料サービスになったのか?
私が自転車業界に入ったのが、12年前。そのころにはすでに自転車の空気は店員が無料で入れるものになっていました。
店舗に配属されてすぐに教えられたのはコンプレッサーを使って空気を入れることでしたし、お客さんが空気を入れに来店したらすぐに入れに行くというのが新人の主な仕事でした。
いつから空気入れが無料サービスになったのか?各地域によって違うのでしょうが、大阪ではたぶん今から20年以上前かと思います。
とあるチェーン店が空気入れ無料!パンク修理500円!ののぼりや看板を立てて大々的にアピールしたところお客さんが急増し、売り上げも急増。一気に店舗数を増やし、他社も追随したみたいな感じです。
20年以上前ならチェーン店も少なく、空気入れも有料のお店が多かったでしょうからお客さんからの支持を得ただろうことは容易に想像できます。しかし、今や空気入れ無料サービスは当たり前になりすぎて、無料で空気を入れてくれない=サービスが悪いという認識にまでなってしまっている感があります。
見返りを求めない善意であってもそれを当たり前として享受されるとやはり不快なものです。ましてや、ビジネスの一環として行っている無料空気入れを当たり前の奉仕として要求されればさらに不快でしょう。
無料空気入れサービスはもうやめた、という自転車屋の方々のツイートも見受けられましたが、仕方ないよなというのが私の感想です。
以前勤めたチェーン店も「空気入れはしない」という方針の店長もいましたし、その後勤めた自転車店も完全セルフサービスに切り替えました。私自身も空気入れサービスはかなり縮小しました。
メリットもデメリットもトラブルもある。
メリットはもちろん、売り上げにつながること、お客さんとのコミュニケーションが取れることでしょう。前述のチェーン店も他社と差別化でき、売り上げを伸ばしました。
デメリットは時間を取られること、経費が掛かることですね。
トラブルは破れかけのタイヤにとどめを刺してしまったとき、入れすぎて破裂したときなどでしょうか。
正直、空気を入れる時間や経費というものは大したことがありません。集客につながるサービスであれば積極的にやったほうがいいのではないか?と思いましたが、最終的に私は空気入れサービス含め無料サービスを縮小しました。
それには以下のような経緯があり、自分なりにかなり考えてのことでした。
無料サービスを誰にでも使えるようにしておくメリットは全くない。
私は生まれ育った地元に店舗を開店したため、地元への貢献もしていこうといろいろと無料のサービスをはじめました。そして、開店一年半頃にはほぼ止めました。
行ったサービスは
- 無料空気入れ
- 営業時間外でも使える空気入れポンプの設置
- 子供自転車のサイズ調整
- 無料注油セットの設置
ですが、無料空気入れと子供自転車のサイズ調整以外は完全にやめてしまいました。
空気ポンプはすぐに壊されてしまいましたし、油はタダだからと、ハブやブレーキにまでかけてしまう方が続出したためです。
特に空気ポンプの設置は営業時間外に店の前で自転車の修理をしたりする人もいたので、もっとはやくやめても良かったと思っています。
子供自転車のサイズ調整は店のすぐ近くに私の出身小学校や幼稚園があり、お店に来てくれる子供たちの大半は後輩なのでずっと続けていく予定です。
無料空気入れは
- 足腰の弱ってそうなお年寄りの方
- 入れ方のわからなさそうな子供や女性の方
- 一輪車やプラホイールの自転車(破裂しやすいので)
- 子供乗せのついた自転車(倒れると危ないので)
- 自店購入自転車
には積極的に入れに行くようにしています。逆に
- 二人乗りで来る方
- 無言で勝手に使い始める方
- 高額なスポーツ車
はセルフサービスでお願いしています。
無料サービスを無断で使う客は顧客にはならない!
実体験から振り返ると、無料サービスを無断で使う方は残念ながら常連にはなりませんでしたし、サービスをやめた途端来店しなくなりました。感謝もされませんし、お店にお金を落とすこともありませんでした。(感謝してほしくてやっていたわけではありませんが)
逆に、常連になっていただけたお客様はみな、無料サービスを行なっていたかどうかにはまったく関係ありませんでした。
質の悪い客を集めるための無料サービスで経費と時間を掛けるより、長く良いお付き合いをさせていただけるお客さんに時間や経費を割いた方がいいと今は考えています。
さまざまな会社やお店がお客さんを集めるために無料サービスなどをしていますが、それが当たり前になってしまうとデメリットしかないのではないかと思います。
なぜ無料サービスを行うのかという背景を考えてくれるお客さんならば、まっとうなサービスを提供していれば自然と支持していただけるのではないでしょうか?
空気入れ無料を謳っているが、いずれ当店にお金を落としてくれるのを期待してやっているサービスであって、真に受けて空気入れ「だけ」来るやつがあるかよ! pic.twitter.com/rBaPoHtKhM
— 脚踏車 (@cyclekaigyou) 2019年10月24日
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