はじめに
自転車屋クレーマー列伝 その2 です。今回はココナラで体験談を募集しました。残念ながら2エピソードしか集められませんでした。
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目次
返品を迫る客【次の自転車が見つかるまで返品予定の自転車を使用する】
自転車販売時に販売元(メーカー)も巻き込んで起こった案件です。
欲しい自転車を他店にてご覧になられたあとお店に来店、注文が可能か問い合わせがありました。
店頭にて取り扱いのない商品ですので「キャンセル不可であれば注文可能」とお伝えしてご了承頂いた後、関連のサイクルパーツと共に注文頂きました。
関連のサイクルパーツの色はメーカーに確認してお客様にお伝えしている状況での注文となっていました。
その後、お客様に納車した際、関連のサイクルパーツの色が注文した時に聞いた色と違うと連絡があり、それに加えてブランドの自転車にも関わらずブランドを示すステッカーで剥がれてしまうとブランドとしての価値が無くなってしまう。実際にブランドのメーカーが作成していない自転車であるので粗悪品だとお叱りをいただきました。
お店より販売元に問い合わせをしたところ関連パーツの色はご案内ミスで実際の色は納車した時に付けていたものが正しい色である、ブランドを告知するステッカーが剥がれてしまっても保証は出来ない、製造上問題ではないので粗悪品ではないと返答をいただきました。
お客様に販売元の返答を連絡するもご納得頂けず、お客様が直接販売元に連絡しやり取りをはじめました。お店に主張した内容を何度も何度も販売元へ主張し、激しい口調で連絡をしたそうです。
販売元としては、返品を提案するも「問題解決になっていない」「返品すると生活に支障をきたすのですぐに返品ができない」と反論し、次の自転車が見つかるまで返品予定の自転車を使用するとあり得ない要望をしてきました。
実物を一見し、注文はキャンセル不可である旨を了承した上で購入したにも関わらず、納車後に仕様に不満があったのを販売元のせいにして、かつ返品をすぐに受け入れず次の自転車を購入する。また、何ヶ月も使用するという考えが非常に間違っていると感じました。
お店の方から連絡すると、販売元は返品でこの件を終わらせようとしているので通常の返品対応はしたくない、自転車がなくなると生活に支障をきたすので貸し出し用の自転車などを提案してもよかったのにそれもなかったと自分の対応の仕方が間違っているのは販売元の対応の悪さを原因にしていました。
結局、返品の日時を決めそれまでに新しい自転車を購入してもらい返品の処理をさせていただくこと、返品の日時までは普通に毎日使用することでご了承いただき、この件は終了しました。
自転車に関しては納車後の返品は自動車と同様できません。不具合があった際にも車体の交換ではなく不良箇所の交換が原則です。
製品に不具合がなく、色が気に食わない、思っていたのと違うといった内容で返品はお断りしています。
納車した後に返品となると中古車扱いになるにも関わらず、「気に食わない」という理由で何ヶ月も使用し使い倒した後に返品というのは、今まででありえないくらいの内容でした。
今回は販売元が中古車となった車体を引き取って全てを被っている状況ですが、今後こういう案件はあってはならないと思います。
お店で自転車を販売時には「納車後の返品不可」を説明した上で署名をしていただくことがこのようなトラブルを回避できる手段になってくると思います。
ある夏の出張修理【偽物の姉】
ある夏、自転車屋さんで人生はじめてのアルバイトをしました。ちょっと続けるつもりでしたが…。
田舎なので、パンクの修理とかは基本持ち込み~顧客がお店の周辺の方なので、自転車を引っ張ってくれば、目の前で、直します。
けれど、田舎と言えど、ちょっとだけ、町に馴染みのない人からは、出張も頼まれない事もないです。私からしたら、小さいころから知っているおじちゃんはおじちゃんですが、年齢から考えると、充分なおじいさん(後期高齢者)なので、出張がちょっと難しくなりました。
そこで、子どものころからそこで遊びながら技術を学んだ何人かが、手が空いている時に、バイトという名のお手伝いをしようということになりました。
その古いアパートは、自転車で5分くらいのところ。古いのですが家賃が格安で家電がついている、さらに不動産屋を通さないアバウトなアパートと評判のところ。訳ありの女性が住んでいます。
「なんでこのアパートにしたの?古いでしょ」
「お金がなくって、家電が付いているってことで一人暮らしの初期費用が抑えられるから」。
まだ若いお嬢さんの自転車のパンク修理でした。その自転車も友達からのもらい物らしく、まだ乗れるけれど、おじちゃんの店の中古ならば、出張パンク修理2回分くらいで買えるのになと内心思っていました。
「ちょっとそこに買い物に行って来ていいですか。5分で戻ります」。
彼女が消えました。
すると、
「この自転車見て頂戴。最近こぐと疲れるのよね」。
その子の姉と言えば姉、母親と言えば母親くらいの女性が一台自転車を持ってきました。
彼女の自転車のパンクはもう直してしまったので、もう一台儲けられると欲を出したのがダメだったようです。
「私、あの子の姉だから。お金は、あれからもらって」。
修理はできるけど、商売に疎い私はその言葉を信用しました。
「もう一台いいかしら」。
…三台分ゲット!。
電話で修理依頼した女性が帰って来たのは、5分じゃなく30分後でした。
出張費が、1台1500円。修理費は実費でだいたい700円~1000円(この設定は任せられました)。
3台お願いされたので、2200円かけるところの、6600円、おまけして6500円請求しました。
「電話では、2200円くらいという話でしたよね?」
「お姉さんが、あと2台、ご不在の際に持ってこられて、あそこの2台も修理しました」
「私、一人暮らしなので、姉はいません。あの2台は、大家さんの自転車です。大家さんの分まで払えません」。
それはそうです。
大家さんちのピンポンをおして、4400円分を請求すると…。
「うちの敷地を勝手に使って修理しましたよね。私は姉だなんて言ってません。あの子の姉みたいなものですって言いましたよね。1台修理するのも何台するも同じだよね~。普通の自転車屋なら、パンクって言われても他の箇所が悪かった時に積む軽トラで来るんじゃないの!。あんた本当に自転車屋なの!。まずは、土地の使用料5000円払いなさいよ」。
理解不能…機関銃のように一歩的に言われて、戸を閉められました。
「ああいう大家さんなんです。合鍵使って部屋に勝手に入って来るし。だから、自転車屋さんがいるから、入らないように見張ってもらえるから買い物行ったんですけど…」。
女性は済まなそうに、2200円支払ってくれました。
お店に戻って、おじちゃんに起こったことを言うと、
「出張代がもらえないことは仕方ないけど、少しのパンクって言っても材料費がかかっているからね」。
700円では、3台分の材料費トントン。
もともとバイト代はもらうつもりはなかったんですが、1500円の積み重ねがないと店にもおじちゃんにも私にも儲けは出ない。
「気持ちだけでうれしいよ」。
バイトはその日1日だけで、終了。もちろん、バイト代なし!。
詐称した大家にもっと言って、ぶんどってくればよかったのか。今も悩むところです。
おじちゃんは、年が明けたら、お店を畳んで、高齢者施設に入所します。
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